なんでもない日のなんでもないこと。
わたしは、上京してからずっと変わらず同じ地域に住んでいる。一度だけ引っ越しをしたが、徒歩圏内をやや移動しただけ。かろうじて東京都内。都内と言えどマイナーに分類される地域。上京当初、東京の友人から「どこに住むことにしたの?」と訊かれて答えれば「どこそれ?w」と度々草を生やされた。この辺だよと説明すれば理解納得してもらえた。わたしも住むまでは聞いたことがない土地であったし、そもそもが「東京って23区以外もあるんだね」みたいなレベルの人間だった。ものをよく知らない田舎者(そう、それはわたし)の想像する東京は、きっとそんなものだと思う。
ところで、東京での暮らしはわたしの肌に合っている。とても住みよい。自分の守りたいもの大切なものは「今の生活」であると数か月前に思い至り失わぬようにと誓った。けれど、それもただの執着の一つに過ぎないのかもしれないと思う今日この頃。
10年以上住んでいても、近所で行ったことがない所入ったことがないお店はたくさんある。昨夜、そのうちの1件、カフェに行ってみようと思い立ち実行した。もう何年も前から気になっていたのにやっとの今である。自分の腰の重さにはほとほと呆れる。ずっと入ってみたいカフェが2件。今日はその片方の1件へ。
お客1号だったわたしは窓際のソファ席に座ることができた。心地よき......。頭に浮かんだことをとりとめもなくノートに書き殴り本を読みボーっとした。わたし以外誰もいない店内で至福のくつろぎ。ポイントカードをもらったから近々また行きたいと思うし、なんなら定期的に行ってもいい。ほんの1時間弱、ひと月半振りの外食はそれほどによい時間だった。
こんな時勢ではあるけれど、たまにとる家以外での食事は非常に意義あることだと感じる。
さて、気になるもう1件のカフェは、残念ながらもうない。シンプルな北欧風味の洒落た雰囲気のお店で、1年のうち数ヶ月しか営業しておらずOPENする月もその月の半分ほどしかやっていない。そんな不定期営業に加えて閉店時間は“日没”まで。実際ドアにそう書いてあり、その曖昧にゆるく不規則で不安定な存在感がとても好きだった。何年も何年もいつか入ろうと思いながら、そのうちにいつの間にかなくなってしまっていた。一体いつなくなったのかすら不明。もうそこにないことを数日前に知り、ただただ無念。あぁ残念。
いつかいつかと言っていてはやはりダメなのだと痛感した出来事。
明日から、これからの教訓にして今日1日を終えよう。
明日もきっといい1日。
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