薄闇に雨音。

ピーカンお天気!も気持ちがよくて最高だけど、どんより薄暗い雨の日はまた別の特別感がある。ひっそりしっとり。日常が独特の世界観にうすーく包まれる感覚があって好き。日常の中の非日常。今朝もそんな具合だ。いい休日。


今日は、読了メモとサバラン食べくらべの2本立て。読み物と食べ物。どちらからいこうか。

美味しいものからいこうか。


今日のサバランは1つだけ。しかも、超ド定番ポピュラーなとこのやつ。


◆FLO PRESTIGE PARIS

そこかしこで見かけるチェーン店。近所の商業施設にも入っていてたまに利用する。ケーキorタルトの詰め合わせがお買い得でつい心惹かれちゃう。家族がいたら買って帰りたい。一人だからそんなにいらない食べられない(笑)さて。これまで5つのサバランを食べて感想メモを書き散らかしてきたわけだけど、クリームと生地のどちらも存分にたっぷり食べたいならば、コチラのサバランをオススメしたい(今のところ)。お値段に対するボリュームもコレが一番じゃないかしら。たっぷりクリームがブリオッシュでサンドされていて、上側の生地には<お好みでどうぞ♪>な洋酒シロップで満たされたスポイトが刺さっている。下側の生地は最初から洋酒が染み染みになっていて、上側の生地も染み染みにしたい方に向けてのサービス、、、食べた感じ、そうだと思う。多分。もちろんわたしは一滴残らず注入していただきます。甘いクリームにブラックコーヒー。至福。気負わず気楽にお手頃価格で満足できる一品(サイズに対して、という意)。好き。

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今日の読了メモ。


ゴーストハント文庫1・2巻を読み終えた直後に早く続きが読みたくてリライト版3巻以降を図書館で借りるべく、申込等々諸々の手配手続きが済むまで1週間ほど間があいた6月半ば。その頃に読んだ3冊。

◆鬼門の将軍 平将門:高田崇史

平積みされていてなんとなく惹かれて興味本位で購入。読み始めて既視感。去年だか一昨年だかにも平積みされていてなんとなく惹かれて興味本位で購入した本があったけど、それのシリーズ物(?)だった(七夕の雨闇-毒草師-)。その時もシリーズ物と知らずに手に取ってしまい「あちゃー」と思ったことを思い出した。シリーズを知らずとも何の問題もなく読めるけど、なんだか失敗した気分になるのは何故だろう。めちゃくちゃ引き込まれるほどではないにせよ、歴史を辿りながら今現在起きている殺人事件の真相に迫っていくのは面白い。た・だ・し。序盤に「占いは統計学」との説明がでてきて「ああああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」と初っ端から心挫けそうになりつつ、そこは見なかったことにして読み進めサラっと読了。平将門のこと、知っているようでいて実はあまりよく知らなかったから新鮮なことばかりでもっと知りたくなった。それから、昨年京都に3度も行っていたおかげで作中に出てくる京都の場所・風景をぼんやりと思い浮かべながら読めたことが嬉しかった。過去に知らず打っていた点が知識として繋がった気がして少しばかりの快感。

とりあえず、この作者のそれっぽい作品は基本シリーズものなんだということを忘れずに覚えておこう。いま覚えた。もう間違わない。


◆異形のものたち:小池真理子

好きな作家さんの一人。小池真理子さんの湿度高めな文章がとても好き。未読のホラー作品があれば積極的に読むようにしている(恋愛ものは恋愛が興味対象外なために未読)。最初の出会いは【墓地を見下ろす家】ひんやり恐ろしくて一気読みしたのを覚えてる。終盤が個人的にはちょっと笑えてしまうんだけど...オススメの一冊。さて、こちらは全6話収録の短編集。本の帯に書かれた「甘美な恐怖」との表現、本当にそう。この方のホラーは、恐怖と無気味のなかにしっとり甘やかさがある。グイグイ読みハマっていく熱とは違い、ゆるりぼんやりと不思議空間にたゆたうような、”狭間”に連れていってくれる、そんな感じ。そんな中で『山荘奇譚』は「世にも」とか「ほん怖」で映像化されそうな直球さで逆に珍しいというか新鮮。『ゾフィーの手袋』では、1人で一軒家に棲む不便さやら大変さやら怖さやら、いろんな視点で感じ得るものがあった。持て余した空間って、結構怖い。


◆家が呼ぶ 物件ホラー傑作選

事故物件の存在はいまや馴染み。事故物件住みます芸人さんもいまや有名。そんな時世だからかなのかは知らんけど、家縛りのホラー集。なぜ手に取ったかといえば小池真理子さんの名前があったから。読みながら「なんだか覚えのあるような、、、」と思いつつぼんやり世界に浸り、そしてやっぱり過去に読んだことのある作品だったことに気がついても、その「覚えのあるような」とゆるり抱いた感覚すら物語の世界観に溶け込んで心地よく、じめじめ薄暗い幸福感が纏わりつくの素晴らしいなと一人感じ入った(『夜顔』)。三津田信三さんの『ルームシェアの怪』も「あれ?これ読んだことある気がするぞ、、、」と思ったらやっぱり2度目だったけど、またまたやっぱり怖くてドキドキした。怖い面白い作品は何度読んで胸が高鳴るものなんだなと最近痛感している(GH然り)。


他収録作で特に気に入った2作。

*『はなびえ:中島らも』

調香師の女性が主人公。ある正体がわかったときの気持ち悪さがなんともいえず、吐きそうになるしゾッとするし。。。文章のまとう雰囲気がとてもお気に入り。主人公の女性が孤独に浸りながら快適に心地よく生活を送る様が綺麗で素敵だった。少し憧れた。

*『幽霊屋敷:高橋克彦』

怖いんだけど、悲しい寂しい。親の苦肉の愛情が温かくて辛くて痛い哀しい。


『倅解体:平山夢明』も、ヒトコワ的怖さではあったけど楽しめた。


この本、900円(税別)と結構なお値段したのだね...と買った後に気がついた。新しい出会いもあったし(中島らもさん、気になる)買って損はしなかったなと思えたので良し◎


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SNSやネット記事を眺めていた時間のほとんどを、読書と休息に充てるようにしました。そしてたまにここで排出する。いまのところ、なかなかよい。己を蝕む隙間もないくらいぱんぱん!に詰まっていたらしい頭の中のゴミや胸のつっかえが少しずつ消えてクリアになっていっているような感覚があります。デトックスなのか己の刷新なのか何に当たるのかわからないけど、呼吸すら儘ならないときがしばしば起こる日々に(リアル身体的な意味で)ここらで一旦立て直さなければまずい気がすると、純粋に危機を感じて始めたのが切欠。もう少し続けてみると、また違う扉が開けそうで未来に少しの楽しみができました。