閉鎖空間。

映画を観てきた。いま、謎にフィーバーしているミッドサマーを。やっと。


感想。

いやーキモかったわ~!(賛辞)


期待通り想像通り、、、ではなかったけれど、観てよかったと思ってる。個人的には、気味の悪さと怖さはヘレディタリーの方が楽しめたし好きかな。ミッドサマーは、淡々。ただただ、淡々。淡々と共同体のルールに則って《事》が紡がれていくさまを、静かに眺める。そんな感覚だった。「ん。まあ、そうなりますよね...」「ですよね。」「あ~.....はい。」が淡々と続く。とはいえ、しっかり気味は悪いし衝撃映像の連続だしおぞましさ満点の作品だから、決して油断しないで欲しい(笑)これは、これから観ようと思っている人への伝言だよ。


鑑賞後に抱いた感覚にどことなく身に覚えがあって「あ~...なんだろう。これ。この感じ。前にも似たような感覚になったことある。なんだっけ...」と、これまで観た映画を振り返り、思い出した。


あれだ。ポゼッション(1981)

あ~!これこれ!!この感じは、あの時のアレと似ている!!ぶっちぎりに突き抜けて狂った圧倒的ワケわからなさはポゼッションだしコチラは内容のテンションがとにかく高くて熱量がミッドサマーとは全然違うんだけど、どちらにも共通して思うのは、「ん?なんて??」と答えを見出せぬ内に幕を下ろされ「な?なんやったんや...」「わたしは一体なにをみせられたんだろう。」というハンパない置き去り感&放り出され感。それから、繰り広げられるワケわからない展開に鑑賞中謎の笑いが込み上げてきてしまうのも同じ。唐突意味不明謎展開の突き抜け感が似てる。内容も何もかも違うから並べ立てるのは違うんだけど、鑑賞後に襲われる感覚が同じという点で挙げさせてもらおう。因みに、ポゼッションも全くオススメできない映画です(笑)わたしも、数年前に映画CHで偶々観てしまっただけなんで。「観てしまった」なんて言ったけれど、わたしはあの偶々の機会に感謝している。


こういう作品は、2度3度と考察しながら観て深めていくのが楽しいのよね、きっと。わたしはそこまでやらないけど。解説サイトを観ながら自分の知識が追い付かなかった部分を補ってもらって「ふむふむ」と思う程度。解釈云々は監督が解説してくれない限り正解なんて出ないしそんなことはしてくれないし、そもそもしてくれなくていいし監督以外の人間が訳知り顔で語るのも好きじゃないし。今回ミッドサマーを観て初めて知ったんだけど、YouTubeに映画の解説考察動画がたくさんあって驚いた。試しにそれを数本見て気付いたことがあって。いろんな解釈考察をブログなど文章で読むのはどんな内容もそれなりに許容できるし好ましく読める、もっと語って!とすら思うけど、動画で(知らない)人間に解釈を語られる・喋られると何故か不快感が湧いてしまうらしい、という自分への気付き。「すごいわかっちゃった感満載に喋ってるけど、果たして何が分かってるんだ?」とか思っちゃう。なんだろうね。私物化されてるように感じるからかな。ちょっと自分でもよくわからない。我ながら理不尽すぎてごめんなさいって感じです。特に「過去に類を見ないカルト!」みたいに強めなサムネになってると凄く萎える。んまあ、だからもう見ないんだけど(笑)嫌なら見るなシステムの積極的発動。(考察・解説サイトは読んでます。面白いから。)


わたしはミッドサマーに熱い感想はあまりない。つまらなかったわけでは決してない。楽しめた...と言うとこれまたかなりの語弊が生まれてしまう気がするけど(笑)いろんな意味で面白かった。「うっわーまじか。」「ひえー気持ちわるぅ...」などと思いつつ【北欧の美しい風景】と【集落】のセットが、どことなく幻想水滸伝(MY最愛RPG)の世界と重なって見えるなどしたために「閉鎖された村で祈って生贄ささげるって、確か幻水にもあったな...」「ゲーム内ではキラキラエフェクトで終了したけど、実際はコレなんだろうな、、、エグいな。やば。」みたいなことをチラチラと思いながら観てた。結局、私は最初から最後まで傍観者の目線・立場でいられた、安全圏から観てたのよね。これが、登場人物の誰かに共感でもしていたなら、きっと全く違う気持ちになったと思う。


少しでもアチラの世界側に心が踏み入ってしまったら、まずこんな冷静穏やかではいられない。危険。そんな作品。

どうぞ、お気を付けあそばせ。


にしても、ミッドサマーは何故こんなに旋風を捲き起こしているんだろう(笑)盛り上がっているよね。プロモーションも凄いし。(そのおかげで観に行く映画館が選べて広い劇場で観れたわけだけど。ヘレディタリーはわざわざ新橋だか秋葉原辺りの映画館まで観に行った記憶があるよ。)誰もかれもが観る内容か...?と、映画館の客層を見て思ってしまった次第。余計なお世話か。うら若き女子たちにヤングなカップルばっかりで、これを観て何を思うの???と、わずかに興味が湧いてしまったよ。確かめる術はないけれど。どうやら巷では、観たら別れるなんて言われているようで、うむ、確かにそれはそうだろうと思う。劇場から退出する時にどこかから聞こえてきた「一生分の鳥肌だったよ~!!」という声に、うむ、正しい感想だと勝手に心で頷いておいた。


わたしは、久しぶりにポゼッションが観たくなった!(笑)

ミッドサマー関係なさすぎ。


おわり。