意識の底で逢いましょう*1(読了メモ)

『スピリチュアリズム』苫米地英人:著


あまりにも直球なタイトルにキンキンキラキラのすんごい装丁。なかなかのインパクトに一瞬たじろぎましたが、やはり好奇心は強し。一見するとスピリチュアルを肯定するような内容かと思いきや、実はまったく違います。スピリチュアル的な現象とされていることは人体の持つ機能によるものであるとの解説本。話は、スピリチュアルとは何ぞや?からはじまり、オカルト、占い、催眠、ヨーガ、瞑想、洗脳、果ては宗教、カルトにまで及びます。


著者の苫米地英人さんをご存じですか?わたしは存じ上げませんでしたが、オウム真理教元信者の脱洗脳に関わったとして有名な脳機能学者の方だそうです。わたしはこの方のスピリチュアルとは全く関係ない別の著書が紹介されるYouTube動画をたまたま見たことで興味を持ち、著書を図書館で適当に数冊ピックアップしてみました。その中の一冊です。


「なんじゃこの装丁www ( ._.)ドレドレ?」ってな興味で手に取ったのですが。

結果、本屋に行き現品を取寄せ注文するくらいのドはまり本となりました。(これについては後ほど)


この本が出版されたのは2007年。かなり古い本になりますね。当時はオーラが視えるあの方や「だが地獄いく!」の決め言葉でお馴染みのあの方がテレビで人気を博していたころです。本の中ではそのお二方が番組内で一体何をやっていて何が起こっていたのかを、特にオーラの方へ重点的にスポットを当てて彼の背景いろいろに触れながら解説されていますが、否定・肯定のスタンスというよりは、ただ明解に説明しているような印象を受けました。ただの人体が持つ機能なだけなのに、それがさも神秘的で不思議な力が実在しているかのように演出し煽り立てるメディアが危険だと、実際に起こった事件を取り上げながら警鐘を鳴らす本でもあるようです。とりあえず、江原さん(結局名前言っちゃう)を好きな方には手放しでオススメはできない本でしょう。


さて。わたしが書き留めておきたいのはこんなことではなく。


以前このブログで「思い描く力」について書きました。


1.魔法を上手に使うには具体的に思い浮かべるといい(ツイステ:ケイト先輩より)

2.問「どんな人が視えるのか?」解「イマジネーション能力が高い人」(和尚さんより)

3.スプーン曲げが出来るか出来ないかは曲がるものであること前提に出来、曲がるイメージが出来るかに因る(ゴーストハントより)


以上三つの事柄に「イメージ力」という共通点を見出して一人でスッキリ!していた件です。

この時はスッキリしたものの、すぐ後に立ちはだかったのは「同じ世界・空間に生きている目の前いにいる、同じ人間であるはずなのにイメージ出来るか否かってだけで本来曲がるはずのない物が曲がるようになったり、いるはずのないモノが存在することになるなどして、ズレる世界線 is 何?」の壁でした。だってよくわからんでしょう。理解はできるとしても感覚としてまったく捉えられない心地悪さ。分かるけど分からんと言いますか、、、。


その解の一つになり得るようなことがこの本には書かれていました。謎を解消するつもりで手に取った本でも何でもなかったので、まさかの思いがけない展開。「これ!これ!これかもー!!!」とそれはもう興奮してしまい、なんなら感動すら覚えました。(1と3は、意識の影響を現実的にもたらす点において解には至りませんでしたが)


話はこうです。


『抽象空間に身体性をもたせる』

・イメージをいかにリアルに鮮明に仮想世界に描けるか、それを体感として作り上げられるか

・欲しい物が目の前に本当にあるように感じられるくらいはっきりとイメージできるようになる

・イメージの世界をリアルに作り出すことにより(ex.本当に観音様出ちゃった)状態になる


(※『抽象空間に身体性をもたせる』とは「学者が情報空間を思索する時に手で何かを触るように動かすこと」と説明されているのですが、分かるような分からんような、、、ピンと来ずいろいろと考えてみた結果「算盤をやってた人が暗算時にそこには存在しない算盤を弾くあの動作のようなことかな?(外野には算盤の存在は見えないが本人の中ではその手の中に確かに算盤がある状態)」との理解に落ち着きました。(が、どうなんでしょうか。合ってるんですかね。謎。)


それを体得するために行うのが、瞑想(ヨーガ)だと。瞑想をすると脳内伝達物質が分泌され、非常に抽象度の高い空間を、気持ちよく、五感をもって感じることが出来る訓練、それがヨーガの訓練である、と。(この記事を書く前に本についてのアウトプットを学友(ヨガ経験者)に聞いてもらったところ「あ~。なんかその感じわかる。身体から離れていくような感覚あるときあった」と言われて驚愕。なにそれすごい。リアル幽体離脱??どういう感覚???ぜんぜんわからん。ネット上で体験談を目にしたことはありましたけど、身近な人が体験したとなれば全く信憑性が変わってきますね。)


なるほど?

そこを高めていけば、魔法もありえるし視える世界も広がる。すべては“そのようになる”と。

あ~~~~~~~~~~~~~~~~~なるほどそういうこと。


すべては“脳”!!!(雑)


なんとなくこういうことかな?分かっている思っている部分はあっても、ここまで機能としてはっきり説明される機会に触れることがなかったので。いやはやスッキリです。


意識(脳)をコントロールすればある意味すべて成すがまま思うがままになる。めちゃくちゃ興奮しましたが、その恐ろしさが“洗脳”の章では語られています。オウムの洗脳の話は震え上がりました。洗脳のメカニズムは、瞑想や抽象空間における身体性あたりで感じた興奮を打ち消すほどに恐ろしかったです。(そして興味が湧いてしまった、、、)


変性意識状態を突いて本人が気がつかないうちに仕掛けられ、その時にはもう、そこにいるその人(Aさん:仮)はAさんであって、そこにAさんはいないのです。ちなみに変性意識とは仮想世界に臨場感を持てるようになった状態とのこと。映画を見ているときに爆発映像などにビクッ!と驚いたりするのは、まさに仮想世界に臨場感を持っていることだそうです。そこにないものをあるように感じ取る。これもまた抽象空間における身体性ですね。


もう。ぜんぶ。いろいろ。説明してくれた本でした。


おわりに。

一つ忘れてはいけないこと。

それは、無知なわたしが読んで「なるほど!そうなんだ!!」などと簡単に思えてしまう本だということです。どういうことか。無知な者が簡単に理解できるように、その層に刺さるよう、より刺激的に心に残るよう作られている(かもしれない)ということです。もしかしたら少しでも知識のある方にとっては噴飯ものの本かもしれません。読了後「これは出逢ってしまった」的なテンションになったのはそれこそ洗脳されてしまったのかも?!、、、とは考えすぎ?(苦笑)かもしれませんが、とはいえ安易なものには注意を払っておくに越したことはありませんから。


決してこれ一冊で分かったような気になることなく、これをきっかけとして、更に知識を深めていきたいと思いました。


この本を読んだことにより、長年自分の中でぼんやり燻っていたよくわからないものの正体を、もしかすると突き止めたかもしれません。


つづく。